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130万円の壁はどうなる??

2024.11.28

103万円の壁とよく混同されますが、いわゆる「130万円(106万)の壁」というものがあります。これは「社会保険」に関する話です。いわゆる「夫の扶養内で働く」ことを希望される主婦さんは、この130万円の壁を意識して、毎年、年末になると働き控えをする傾向があります。

前の記事でご紹介したように、政府は現在「103万円の壁」見直しの議論をしていますが、「130万円の壁」の見直しの方は、報道等ではあまり聞こえてきません。(多分議論しているのでしょうけど)

103万円の壁が引き上げられても、この130万円の壁が引き上げられない限り、実質的にあまり意味がありません。主婦も学生も、130万円以上働いて稼いでしまうと、社会保険の扶養が外れ、自分で社会保険に加入する必要が生じるからです。

社会保険に加入し社会保険料を自分で負担するとなると、所得税が少し減額されたとしても、圧倒的に負担額は増えます。また、社会保険料は「労使折半」であるため、従業員とほぼ同じだけ事業主も負担することとなり、これが経営を大きく圧迫することになるでしょう。

とはいえ、時代の流れには逆らえません。近いうちにパートさんも全て社会保険に加入させなければならない、そんな時代が来るような気がします。そもそも、パートという働き方自体がなくなって、正社員で雇用するのが当たり前、といった時代になるのかもしれません。

この話題については詳細がわかり次第、引き続きなるべく早くお伝えしていきたいと思います。

 

103万円の壁が見直される??

2024.11.27

いつものことですが、バタバタしてまたもや4か月も更新をさぼってしまいました・・・。ユーチューブをはじめ、こまめに情報発信をされている方を見習って、今後は精力的に更新していきたいと思います!笑

さて、国民民主党の議席を大幅に伸ばし、 玉木氏を一躍時の人に押し上げた、いわゆる「103万円の壁」引上げ議論が、いよいよ本格的に行われている模様です。いまさら聞けない「103万円」の根拠(なぜ103万円なのか)、ここが引き上げられるとどうなるか、今回はこの辺りをご紹介していきます。

まず、「103万円の壁」とは何に関するものなのか?というお話ですが、これは「所得税」に関する話です。「住民税」にも関係しますが、話がややこしくなるため割愛します。

次に「103万円」という数字はなぜ103万円なのか?という話ですが、まず「収入」と「所得」の意味合いの違いを理解することが必要です。所得税は、「収入」ー「控除」=「所得」となり、この「所得」の金額に対して税率をかけることで算出されます。つまり、「所得」がゼロであれば、所得税を納付する必要はないばかりか、家族の「扶養親族」になることで、その家族が納付すべき所得税の金額を減額することまでできる仕組みになっています。

103万円の根拠は、この「控除」の金額にあります。まず全ての方に適用される「基礎控除」の金額が年額で48万円です。この基礎控除の趣旨は、生活する上で必ず必要になるものを買うためのお金にまで課税するのは不適切であるという考え方に則っています。次に会社などで働いて給与を得た方に適用される「給与所得控除」というものがあり、金額は最低55万円です。趣旨は、給与を得るためにも一定の経費がかかっているはずなので、その分は収入から差し引くべきという考え方に則っています。この二つの控除を足すと、103万円になります。つまり103万円までに抑えればこの二つの控除によって、所得はゼロになるということになります。

玉木氏が選挙時に掲げていたのは、「103万円を178万円に引き上げる」という内容でしたが、言い換えると、「基礎控除を48万円から123万円に引き上げる」ということになります。玉木氏の発信されている内容は、主に学生アルバイトさんが103万円の壁のせいで働き控えをしている、最低賃金の上昇がこれに拍車をかけており、労働力不足の大きな要因にもなっている、というもので、非常に的を得たものでした。

しかし、「基礎控除を引き上げる」となると学生さんに限ったことではありません。収入が高い方も低い方も一律に控除される金額が引き上げられる、となればそれだけ全体的な所得が下がり、納めるべき税金が減額されるということになります。試算によると、これが実現すると税収は8兆円ほど下がるとのこと。しかも累進課税といって、所得が大きくなればなるほど税率が上がる仕組みである以上、高額所得者の方が受ける恩恵は大きくなります。

基礎控除の趣旨は先述の通りですので、物価高によって生活に係る費用が増大している以上、引き上げは当然行われるべきです。しかし、いきなり75万円も引き上げるというのは、いささか影響が大きすぎるのでは・・・。というのが私の正直な印象です。

はてさて、どこに着地するのか・・・。今後も注目していきたいと思います!

 

2024年度 最低賃金の引き上げ見込み額について

2024.7.29

前年、前々年と高水準で引き上げられてきた最低賃金ですが、2024年10月からの引き上げ額の「目安」が明らかとなりました。

今年も過去最高を更新して、「50円程度」の引き上げとなりそうです。都道府県ごとに設定されますので、今後10月までに各都道府県ごとの上げ幅が確定することになりますが、この金額から大きく変化する可能性は低いものと思われます。

世界各国で最低賃金を大幅に引き上げる動きは広がっており、日本でも10年後を目途に1500円までに引き上げる動きは既に始まっていますが、大企業はともかく、中小零細企業にとってはただでさえ諸経費が増大している昨今の情勢において、人件費までここまで大きく上がるとなると、深刻な悪影響をきたすのではないか、と心配になります。

確かに、このまま手をこまねいていると、若い世代を中心に日本よりも賃金水準の高い国で働きたい、という方は増えるでしょうし、逆に外国からの労働力の流入は厳しくなり、労働力人口の減少は更に拍車がかかることになるでしょう。とはいえ、商品やサービスへの価格転嫁が進んでいないと思われる中、このレベルの最賃アップは果たしていかがなものか・・・。せめて企業規模や業種によって細かく上昇額を定めたり、せめて猶予期間を設けるなどの対策はとれないものか・・・。まあ、当然その辺りはとことん議論した上でのことだろうとは思いますが・・・。皆さんはどのように感じられるでしょうか。

さて、最低賃金の「〇〇円アップ」とは時間額を指していますが、正社員のように月給制の方がこれに抵触しないかどうか、は注意が必要です。というのも、「通勤手当」や「精皆勤手当」「家族手当」などの手当は、月給の金額から差し引いて計算しないといけないからです。特に「みなし残業手当」「固定残業手当」「職務手当」「調整手当」といった名称で、いわゆる残業手当のみなし払いをされている企業様は、これらも差し引いて計算する必要があり、得てしてこれらは高額であることが多く、差し引いて計算した結果、「パートはクリアしているが正社員が最賃割れ」といった現象が起こることは珍しくありません。

「みなし残業手当」の手法は、私が社労士になった20年ほど前の時代は中小企業では当たり前のように採用されていましたが、先述のように今後10年間で最賃は1500円を目指す、という国の方針を考えたときに、そろそろ見直した方がよいかもしれません。

 

社員を2名募集しております!

2024.6.24

はなだ事務所では、職員の退職・及び増員につき、新規に2名の正社員(契約社員)を募集しております。有資格者・無資格者、経験あり・なしは一切問いません!初心者さん大歓迎。丁寧に指導して社会保険労務士として活躍できる人材に育って頂きます。

・社会保険労務士以外の職は考えていない

・熱意だけは誰にも負けない

そのような方はまずはお問い合わせフォームよりご連絡頂ければうれしいです!

待遇についてはその際に詳細をお伝えいたします。

宜しくお願い致します!

※令和6年7月28日付で一旦募集は締め切りました。ご応募、ありがとうございました。

 

医療従事者の賃上げ ベースアップ評価料

2024.4.24

6月より、医療従事者の賃上げ、引いては人材確保に向けた取り組みとして、外来・ベースアップ評価料をはじめとした各種の施策が開始されます。

今のところ、私の周りでは積極的に申請したいという医院もいれば、「めんどくさい」「後から不備を指摘されて返金させられるかもしれない」「患者の負担額を増やしたくない」といった理由で、「申請しない」という医院も少なからず存在する状況です。

私としては実際にやってみたところ、それほど難しいとは感じなかったのですが、給与計算や、申請関係を担当されている方の事務負担が増えるのは間違いありません。

ベースアップ評価料がいくらもらえるか?については、まずは厚生労働省のHPで公開されている「試算ツール」に必要情報をご入力いただき、月にいくらもらえるのか、見込み額を把握します。

その後、自院の医療従事者(ベースアップ対象者)を決定、いくら増額するかを決定します。

また就業規則への記載も必要です。増額分は「基本給または毎月決まって支給する手当」として反映する必要があります。基本給で上げることも良いですが、私としては「ベースアップ手当」といった新しい手当を創設し、そこに増額分を充てることを提案しております。

というのも、基本給で上げてしまうと今後万が一このベースアップ評価料がなくなってしまったときに基本給を切り下げることは不利益変更に当たるため難しくなりますが、「ベースアップ手当」であれば、就業規則に「ベースアップ評価料がなくなったときは支給しない」と記載してさえおけば、不利益変更には該当しないため、切り下げることが可能であると考えるからです。とはいえ、介護や障害福祉の「処遇改善加算」の例をみても、今後ベースアップ評価料がなくなることは考えにくくはありますが、念には念をいれて、上記のような方法をとられることをお勧め致します。

処遇改善加算の一本化

2024.4.24

弊所で得意分野としている介護・障害福祉事業所に対する「処遇改善加算」が2024年6月から一本化されます。

「わかりづらい」「めんどくさい」ということで、多くの事業所で不平不満があがっていた、従来の「処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ加算」が一本化され、加算率もアップされます。

かくいう私も、「給与計算のアウトソーサー」という立ち位置上、「わかりません」とは言えないため、山のように寄せられるお問い合わせに必死でくらいついて勉強しているうちに、「いつの間にか詳しくなった」というのが正直なところですが、今回の改正も本当に大変な目にあいました。(笑)

何しろ情報が出るのが遅いのなんの・・・。しかも申請書式が公開されて締め切りまで1週間足らず、という始末で、行政機関の方々もさぞかし必死だったろう、と同情してしまいます。

さて、肝心の変更点についてですが・・・。

「そんなに変わってない」が私の率直な印象です。

ただ、処遇改善加算の対象とできる従業員について、従来より事業主の裁量に委ねられる部分が大きくなったことは非常に良いことであると感じました。これにより、それこそこの処遇改善加算絡みの事務に必死でくらいついてきた「事務職員」さんにも相応の分配が可能になります。

申請書式も従来より「少しだけ」楽になりました。(笑)

また、従来受けていた加算の種類によって新加算のどのランクを受けることができるのか、も非常にわかりやすくなっています。

とはいえ、そもそも難しくて従来から加算は受けていなかった、という事業所さんにとっては、相変わらず複雑すぎて手に負えない・・・。という印象を受けるでしょう。

「何から始めてよいやらわからない」「手続きをどっかに丸投げしたい」といったご要望をお持ちの事業主様は、是非一度お問い合わせ下さい。

定額減税に関する事務について

2024.3.26

6月より所得税3万円、住民税1万円の「定額減税」が開始されます。給与計算ご担当者様にとっては業務量が増えるので、頭を悩ませておられるのではないでしょうか。

政府の狙いは国民の手取り額を「素早く増やす」ことなのでしょうが、実際に担当させられる方にとってはたまったもんじゃない、という声が殆どです。給与計算に関係しない方にとっても、たったその程度の減税で何が変わるのか?といった冷ややかな反応が殆どと言えます。

とはいえ、決まったことですので、対応は必須です。

はなだ事務所で給与計算代行を承っている事業所様については、5月中を目途に、必要な提出書類をわかりやすい説明文と共にお配りし、給与計算時に定額減税事務を実施していく予定です。「自社でやるつもりだけど大変なのかな?」「国税局のサイトを見たけどよくわからない」といったお悩みがあれば、社会保険労務士法人 はなだ事務所にお問い合わせ下さい。

 

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